» 第34回 全国短歌フォーラムin塩尻(学生の部)

第34回 全国短歌フォーラムin塩尻(学生の部)

第34回全国短歌フォーラムin塩尻(学生の部)入賞作品を発表します!!

最優秀賞【穂村 弘 選】

  • なつやすみおくらをとったおいしいなへんなのあったそれはとらない
    長野県 塩尻市立吉田小学校 一年 やの いち
    《選評》
    「へんなの」の正体がわからないところがおもしろい。たぶん作者にもわからなかったのだ。とにかくそれは「へんなの」で、あやしいから「とらない」んだね。
  • 土はねる二対二になるチャイムなるサッカーボールどろのかたまり
    長野県 塩尻市立広丘小学校 五年 西村 光太
    《選評》
    たたみかけるような言葉によって「サッカー」の動きが生き生きと感じられます。「土はねる」ではじまって「どろのかたまり」で終わるところもすばらしい。
  • パンと鳴り高くあがった羽根を追いキュッと足音またパンと鳴り
    東京都 葛飾区立亀有中学校 二年 山田 結喜
    《選評》
    バドミントンという言葉を一度も使うことなく、その動きが見事に表現されている。この短歌を音読すると、戦いのリズムが鮮やかに甦ってくる。
  • 網戸ごし庭の緑と空の青溶けた氷と伸びたそうめん
    長野県 長野県塩尻志学館高等学校 二年 永原 瑞菜
    《選評》
    「網戸」「庭」「空」「氷」「そうめん」と少しずつカメラを動かしながら一つ一つに焦点を当ててゆく。それによって夏の中心にいる〈私〉が浮かび上がってくるようです。
  • 最優秀賞【小島 なお 選】

    • ヨーグルトまっ白な顔しているのはずかしいならかくせばいいよ
      長野県 塩尻市立洗馬小学校 三年 赤岩 幹太
      《選評》
      ヨーグルトの顔をはっけんしたふしぎなおもしろさ。かくせばいいよ、の思いやりのあるよびかけが読むひとをやさしいきもちにしてくれます。
    • 毎年の夏に年れい1つふえアニメのキャラを追いぬいていく
      長野県 小布施町立栗ガ丘小学校 六年 根岸 昂太郎
      《選評》
      成長してゆく自分とずっと時間が止まったままのアニメのキャラ。年をとるということはさみしくて、でも変わってゆくよろこびでもあるのですね。
    • 「すごいね」と心から言ったはずなのに酸っぱい葡萄の味がしていた
      東京都 世田谷区立梅丘中学校 二年 林 真悠子
      《選評》
      尊敬の気持ちにほんのひとさじ嫉妬の気持ちが混じっていたのかもしれません。言葉と心の小さなずれを繊細であざやかな比喩で表現しました。
    • 二の腕のコバエに気付く瞬間に地殻の上の誰かがくしゃみ
      長野県 長野県松本深志高等学校 一年 藤森 深生
      《選評》
      コバエに気付く自分と、どこか遠くでくしゃみをする誰か。関わりのない二者がふっと繋がる瞬間がある。地殻という大胆な話が生きています。
    • 小学生優秀賞【穂村 弘 選】

      • かわあそびいしにすわるとずぼんにはみずがはいってぷっくりするよ
        長野県 塩尻市立広丘小学校 一年 まるやま ゆうと
        《選評》
        本当に「かわあそび」をしているみたいな気持ちになりました。特に「ぷっくりするよ」がよかった。水でふくらんだ「ずぼん」をそんなふうに云えるなんてすごい。
      • カタカナはまっすぐなせんむずかしいきんちょうするとぶるぶるなせん
        宮崎県 日向市立坪谷小学校 一年 山口 創大
        《選評》
        初めて「カタカナ」を習った時のことを思い出しました。「まっすぐなせん」が「むずかしい」ってすっかり忘れていました。「ぶるぶるなせん」もすばらしい。
      • おさるがねトウモロコシをうばってねぼくからみるとどろぼうだよね
        長野県 塩尻市立洗馬小学校 四年 大塩 勇真
        《選評》
        「ぼくからみると」がいい。「おさる」からみると、それは「どろぼう」ではなくて、生きるために必要な行動だってことを「ぼく」はちゃんとわかってるんだ。
      • たのしみはキャンプの夜にねれなくて燃えつきそうな火ながめる時
        長野県 塩尻市立塩尻東小学校 六年 望月 創矢
        《選評》
        「ねれない」と思いながら、一人で静かに「燃えつきそうな火」を「ながめる」のは特別な「時」なんだろう。それを「たのしみ」と感じる心が魅力的。
      • 小学生優秀賞【小島 なお 選】

        • あかとんぼゆっくりはねをつかまえためとくちみてからそらににがした
          長野県 塩尻市立洗馬小学校 一年 おおくま あゆむ
          《選評》
          あかとんぼのめとくちはどんなかたちでしたか。あかとんぼもきっとこちらをじっとみていたはずです。それぞれちがうみためがすてきです。
        • よるになるおばけはおきるひとはねるきこえないのにおばけはねない
          長野県 塩尻市立吉田小学校 一年 おくはら こうめい
          《選評》
          にんげんとはんたいのせいかつをしているおばけ。みえない、きこえないのに、たしかにそこにいるようなおばけのけはいをじわじわかんじます。
        • カシオペアあれだよあれよと言われたが指さす方はまんてんの星
          長野県 塩尻市立洗馬小学校 四年 佐々木 初音
          《選評》
          がっこうでもならうカシオペア座。たくさんの星がひしめくきれいな空を見ているうちに、どれがどの星座だっていいようなきもちになりそうですね。
        • 汗かいて水風呂ジャバンおれの夏思い出いっぱいじいちゃんがいる
          長野県 塩尻市立桔梗小学校 五年 酒井 春真
          《選評》
          声に出してみたくなるいきおいのあるリズム。あとになってきっとまた思い出す特別な夏。じいちゃんにとっても忘れない夏でしょう。
        • 帰り道ペダルこぐ音歩く音耳をすませばかささす音が
          長野県 塩尻市立広丘小学校 五年 岩波 吉登
          《選評》
          世界にはたくさんの音があふれています。じてんしゃの音、くつの音。なかでもまぎれてしまいそうなかさをひらく音をきいたところが心に残ります。
        • 中学生優秀賞【穂村 弘 選】

          • 歩くことテレビ見ること歌うこと漢字書くことみんな楽しい
            千葉県 千葉市立白井中学校 二年 パンディタ セサディー
            《選評》
            遠い昔、私もそんな風に感じた日があった。もしもこの短歌に出会わなかったら、その楽しさを思い出すのは死の床についた時だったかもしれない。
          • 暑い夜キャンプファイヤー見ていると親からとび立つ火のこどもたち
            東京都 学習院女子中等科 二年 直海 かんな
            《選評》
            「キャンプファイヤー」をしたことはある。でも、焚火と火の粉だと思っていた。あれは火の「親」と「こどもたち」だったのか。そう思ったとたん、世界が新鮮なものになった。
          • 怖い空ある日突然降り注ぐ壊されていく平和な街を
            福島県 須賀川市立第三中学校 二年 渡辺 奈智
            《選評》
            ある日突然降り注ぐ「怖い空」って何だろう。台風か雷か爆弾か放射能か、その正体を明示することなく「怖い空」と表現した時、心に焼きつくような短歌が生まれた。
          • ふと見るとしんしん積もる雪の夜窓から見える雪はこぶ親
            石川県 石川県立金沢錦丘中学校 二年 木戸口 巧実
            《選評》
            「窓から見える雪はこぶ親」がすばらしい。現実そのものの作業でありながら、どこか幻想の光景を見ているような静けさと美しさがある。
          • 窓を開け雲雀の声に誘われてピアノの蓋を両手で開けた
            東京都 墨田区立両国中学校 三年 魯 欣
            《選評》
            「雲雀」のように歌うことはできない。でも、作中の〈私〉には「ピアノ」がある。それを弾いたと書くのではなく「ピアノの蓋を両手で開けた」としたところがさらにいい。
          • 中学生優秀賞【小島 なお 選】

            • にらみあいきんちょう胸に一手出る赤い金魚のうつる水そう
              鹿児島県 鹿児島市立坂元中学校 一年 𠮷武 綺心
              《選評》
              囲碁か将棋か。はりつめた空気の様子がびりびりと伝わってきます。対峙する二人をよそにすずしく水槽を泳ぐ赤い金魚の存在感が光っています。
            •   

            • くもり空半紙のようでふと指をあげてなぞったたいくつの文字
              岐阜県 岐阜聖徳学園大学附属中学校 二年 村田 杏
              《選評》
              すこしかげりのある空を半紙として見ている大きな比喩。たいくつな気分とくもった天気が重なるよう。自分と空と、遠くて近い関係です。
            • 盆提灯まだまだ暑い夕ぐれのすれちがう人表情見えず
              長野県 松本市立高綱中学校 二年 関 優菜
              《選評》
              死者の帰ってくる季節です。ぼんやり明るむ提灯とむっとした暑さ。表情の見えない人のなかに、この世の外の人もまぎれているのかもしれません。
            • 新品のヘッドフォンを試しつつテスト勉強誕生日の夜
              長野県 塩尻市立丘中学校 二年 野口 綺斗
              《選評》
              欲しかったヘッドフォンを楽しみながらテスト勉強する夜。いつもと同じようで、いつもと違う誕生日の夜です。静かなよろこびが流れる時間。
            • 手に力入りすぎててシャー芯がボキボキ折れる私の夏よ
              愛知県 名古屋市立鳴海中学校 三年 寺田 果菜乃
              《選評》
              受験への意気込みのせいでしょうか。気持ちとは裏腹にどんどん折れてゆくシャー芯。そんなもどかしい夏も一度きりです。「私の夏」の力強い宣言。
            • 高校生優秀賞【穂村 弘 選】

              • 帰り道自転車こいで上り坂日が沈んでも体は熱い
                長野県 長野県田川高等学校 一年 有方 莉音
                《選評》
                自転車で坂を上がったから体が熱くなったんだろう。でも、その間に「日が沈んでも」を挟むことで心の熱さがオーバーラップするような魅力が生まれました。
              •   

              • 夏休みはじめて焼いたパンケーキ絵本の丸さと厚さは遠い
                東京都 学習院女子高等科 二年 吉田 万莉亜
                《選評》
                「パンケーキ」には憧れの食べ物というイメージがある。「絵本」の中のそれと比較したことで逆に現実の手触りを感じます。丸くも厚くもないことの良さ。
              • トゲアリトゲナシトゲトゲって虫がいてなんだか君のことみたいだね
                茨城県 茨城県立下館第一高等学校 二年 秋田 花奈瑠
                《選評》
                「トゲアリトゲナシトゲトゲ」という不思議な虫の名前から、「君」を連想したところがなんとも面白い。独特の言語センスを感じる一首。
              • 目玉焼半熟加減見比べてこっそり父とお皿交換
                東京都 学習院女子高等科 三年 東瀬 美咲
                《選評》
                どちらも同じ「目玉焼」。でも、「半熟加減」の違いによって味わいが変わってくるのだ。その微妙さを捉えた感度の高さ。たぶんお父さんは気にしないんじゃないかなぁ。
              • 失くしたら二度と帰ってこないので10円玉に名前をつけた
                長野県 長野県松本深志高等学校 三年 藤森 相貴
                《選評》
                貨幣に個体差はないことになっている。それは社会的な記号の一種だから。にも拘わらず、「十円玉」に敢えて「名前」をつける行為は、その反社会性においてユニーク。
              • 高校生優秀賞【小島 なお 選】

                • 鼻唄に合わせて歌う君の声静かな廊下に響く歌声
                  長野県 長野県田川高等学校 一年 なーくん。
                  《選評》
                  親しい二人のゆるやかな時間です。私の鼻唄と君の声が重なりながら、まっすぐ伸びる廊下の先へ響いてゆく。普通で、かけがえのない今。
                • 鍵忘れ小石蹴とばし座りこみ夕日溶かしてただ夜を待つ
                  東京都 学習院女子高等科 二年 福田 千紘
                  《選評》
                  誰かが帰ってくるまで家に入れない手持ち無沙汰のひととき。まるでチョコレートでも溶かすかのような「夕日溶かして」の表現に味わいがあります。
                • トゲアリトゲナシトゲトゲって虫がいてなんだか君のことみたいだね。
                  茨城県 茨城県立下館第一高等学校 二年 秋田 花奈瑠
                  《選評》
                  「トゲアリ~」はコウチュウ目ハムシ科の昆虫。トゲがあるような、ないような、やっぱりトゲトゲの気になる君です。こんな友だち、欲しい。
                • 多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)なんです物理的孤独は存在し得(え)ないのです
                  東京都 学習院女子高等科 三年 小林 寧緒
                  《選評》
                  多くの人が孤独だというけれど、人間は細胞の集合体ゆえ孤独ではないと。機械的な物言いにかえって孤独の姿が浮き彫りになるようです。
                • 失くしたら二度と帰ってこないので10円玉に名前をつけた
                  長野県 長野県松本深志高等学校 三年 藤森 相貴
                  《選評》
                  二度と戻ってこないとわかっている寂しさ。たとえそれが硬貨でも。名前をつけることは自分と関係を結ぶことです。十円玉の物語。
                • 小学生入選【穂村 弘 選】

                  • あかとんぼゆっくりはねをつかまえためとくちみてからそらににがした
                    長野県 塩尻市立洗馬小学校 一年 おおくま あゆむ
                  • やっぱりね夏はあついなかきごおりおばけの口にへんしんしたよ
                    長野県 塩尻市立洗馬小学校 二年 青栁 優奈
                  • あそびにねいったんだよねしばふにねかゆいよかゆいおでこがかゆい
                    長野県 塩尻市立広丘小学校 二年 小林 まのあ
                  • バーベキュー食べたウインナーあつあつで口の中でねダンスしていた
                    岐阜県 郡上市立大和南小学校 三年 土田 真衣
                  • 朝早く虫かごあけたどきどきだくわがた虫にかみつかれそう
                    長野県 塩尻市立広丘小学校 四年 三沢 太陽
                  • 昼の海貝がらひろう妹ときらきらひかる妹の目だ
                    新潟県 巻サミト教室 四年 清水 真蒼
                  • せんぷう機首を回してストレッチそっちはかべでこっちが私
                    高知県 土佐市立高岡第一小学校 六年 藤田 ゆずあ
                  • 好きなもの雨ふる時のにおいかな明日になれば消えているのに
                    長野県 塩尻市立桔梗小学校 六年 中野 正太
                  • 墓参りお墓に反射しギラギラと鏡のように太陽光る
                    長野県 塩尻市立吉田小学校 六年 安藤 寧音
                  • バッタだよ海の向こうの大陸に行けると思ったらむりだったんだ
                    東京都 にしみたか学園三鷹市立井口小学校 六年 田畑 寧々
                  • 小学生入選【小島 なお 選】

                    • てっぺんにのぼったあとのごほうびはうつくしがはらのソフトクリーム
                      長野県 塩尻市立広丘小学校 一年 こまつ かえで
                    • 虫かごで小くわはゼリーもち出してボスのところにいってわたした
                      長野県 塩尻市立広丘小学校 二年 下平 煌
                    • ふでばこにえんぴつつめてもって行くまっすぐな線を今日はひく
                      新潟県 巻サミト教室 二年 児玉 光
                    • ビー玉がいん石みたいに落ちたんだひえひえラムネひたすらのむよ
                      長野県 塩尻市立吉田小学校 三年 住山 あおし
                    • ばあちゃんちアイスクリームがいっぱいだ行くたびだんだんふえていってる
                      岐阜県 郡上市立大和南小学校 四年 豊島 惇乃
                    •   

                    • 青空をうめつくすほどとびかう声「ぜんいんひなんかんりょうしました」
                      長野県 塩尻市立吉田小学校 四年 柳生 遥
                    •   

                    • いのる手に線香落としヤケドしたぼくを見守るお日切り地ぞう
                      長野県 下諏訪町立下諏訪北小学校 五年 古幡 一真
                    • たのしみはキャンプの夜にねれなくて燃えつきそうな火ながめる時
                      長野県 塩尻市立塩尻東小学校 六年 望月 創矢
                    • ジェオスミンもうすぐ来るよ夕立がかなり正確私の予報
                      神奈川県 洗足学園小学校 六年 米山 明衣
                    • バッタだよ海の向こうの大陸に行けると思ったらむりだったんだ
                      東京都 にしみたか学園三鷹市立井口小学校 六年 田畑 寧々
                    • 中学生入選【穂村 弘 選】

                      • 飛ぶ蛍瞬(まばた)きの間に見失いただ立ちつくすせせらぎの音
                        富山県 高岡市立五位中学校 二年 石田 真帆
                      • 満月の光を浴びた海辺沿い忘れはしない一人の時間
                        長野県 長野県諏訪清陵高等学校附属中学校 二年 大久保 美花
                      • 牛丼が一番おいしい和食だと再確認する中二の夏
                        長野県 安曇野市立豊科南中学校 二年 山口 遥
                      • 夏の夜キラキラ光る星たちが暗黒という名のパズルをはめる
                        長野県 松本市立高綱中学校 二年 上原 翔和
                      • 試合中飛んでるシャトルを追いかける私はまるで肉食動物
                        長野県 生坂村立生坂中学校 二年 平林 希美
                      • 夏の夜虫の音聞くとふと思ううるさいはずがうるさくないと
                        長野県 松本市立清水中学校 二年 井原 洋貴
                      • 見ていろよ悪魔のような連符たち本番までには退治してやる
                        長野県 長野市立柳町中学校 二年 廣澤 彩佳
                      • この夏は外に出れずに過ごすから鏡の中の私が白い
                        埼玉県 浦和明の星女子中学校 二年 中村 真尋
                      • 楽器達お話しやめて帰ってく静まる空間ねむる教室
                        長野県 塩尻市立塩尻西部中学校 二年 中野 夢織
                      • カチカチと静かに響く教室はシャーペンたちの大きなお祭り
                        長野県 塩尻市立丘中学校 二年 中村 優志
                      • 中学生入選【小島 なお 選】

                        • 妹がたいくつそうに足伸ばすとても平和な夏の午後
                          鹿児島県 鹿児島市立坂元中学校 一年 西谷 亮宥
                        •   

                        • 先生のくつのサイズは二十七いつも年齢隠しているんだ
                          埼玉県 朝霞市立朝霞第二中学校 二年 遠藤 瑞己
                        • 銅像を見ながら思ういらぬ事彼はいつまで悩むのだろう
                          長野県 長野県諏訪清陵高等学校附属中学校 二年 丸山 涼夏
                        • 帰り道いつも聞こえる君の声聞きあきたけどあきないこの道
                          長野県 松本市立高綱中学校 二年 新井 海正
                        • 授業では発言しない君だけど「ハイ!」と声出す球技大会
                          千葉県 千葉県立千葉中学校 二年 遠藤 あかり
                        • 扇風機席替えの時逃げてった野菜残した罰な気がする
                          千葉県 千葉県立千葉中学校 二年 髙橋 陽斗
                        • カチカチと静かに響く教室はシャーペンたちの大きなお祭り
                          長野県 塩尻市立丘中学校 二年 中村 優志
                        • 窓を開け雲雀の声に誘われてピアノの蓋を両手で開けた
                          東京都 墨田区立両国中学校 三年 魯 欣
                        • 目の前で最後の一球床に落ち空もさっしてないてくれたね
                          長野県 塩尻市立丘中学校 三年 藤居 青
                        • 高校生入選【穂村 弘 選】

                          • 秋の食たくさん食べて縦いく子たくさん食べても横いく私
                            秋田県 秋田県立秋田西高等学校 一年 薮田 陽菜
                          •   

                          • 放課後にいつもの場所で弓を引く白黒世界に色がつくとき
                            長野県 長野県塩尻志学館高等学校 二年 三原 柚乃
                          • 白桃に色も香りも似てる君味もなのかと齧ってしまった
                            茨城県 茨城県立下館第一高等学校 二年 松﨑 美優
                          • 雨の音静かな部屋で響き出すえんぴつ止めて耳をすませば
                            長野県 東京都市大学塩尻高等学校 二年 清水 葉月
                          • 風鈴の音で目覚めたその猫はまだ眠そうな目で空を見つめる
                            長野県 長野市立長野高等学校 二年 黒岩 美穂
                          • 美しい木曽平沢の漆塗り照り輝くよトマトのように
                            佐賀県 早稲田佐賀高等学校 三年 小山 えみ
                          • 菊の花はじいちゃんの好きだった花と言う私の好きなばあちゃん
                            茨城県 茨城県立結城第二高等学校 三年 辻 優香 ※辻の字は点が一つの辻
                          • 多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)なんです物理的孤独は存在し得(え)ないのです
                            東京都 学習院女子高等科 三年 小林 寧緒
                          • じゃんけんであいこばかりが五連続双子みたいと笑い合った夜
                            東京都 学習院女子高等科 三年 前川 笑
                          • 守備練習数え切れないほど受けてたった一球に泣いたあの夏
                            山口県 柳井学園高等学校 三年 伊藤 優大
                          • 高校生入選【小島 なお 選】

                            • 夕日見て指を差してる友人は毎日飽きず綺麗だと言う
                              長野県 長野県田川高等学校 一年 小林 咲野
                            •   

                            • 新学期なつかしい友和木駅でちがう制服ちがう行き先
                              山口県 柳井学園高等学校 一年 﨑村 海月
                            • 時忘れ孝標女のように読む恋物語休校の中
                              宮城県 聖ウルスラ学院英智高等学校 一年 横溝 麻志穂
                            • 夏終盤私の気持ちは目の前の崩れる前のかき氷のよう
                              東京都 学習院女子高等科 二年 池亀 莉子
                            • 頭蓋骨父と同じと目を細め母が私の髪カットする
                              東京都 学習院女子高等科 二年 石川 李津
                            • 白桃に色も香りも似てる君味もなのかと齧ってしまった
                              茨城県 茨城県立下館第一高等学校 二年 松﨑 美優
                            • 渡り鳥コロナが付着していても捨てられないよ手元の諭吉
                              岩手県 岩手県立立花北青雲高等学校 二年 岡田 旭
                            • 日日猛暑七時の向日葵高々と四時の向日葵疲労困憊
                              長野県 長野市立長野高等学校 二年 小林 妃莉
                            • なつまつり毎年かよった型抜き屋今年は心に穴があいてる
                              長野県 長野市立長野高等学校 二年 関澤 舜
                            • 菊の花はじいちゃんの好きだった花と言う私の好きなばあちゃん
                              茨城県 茨城県立結城第二高等学校 三年 辻 優香 ※辻の字は点が一つの辻

                            ※短歌に関しましては、原稿を忠実に掲載することを基本といたしました。
                            ただし、ホームページ上で表示できない文字(旧字体など)につきましては、表記を変更しております。ご了承ください。​