第36回 全国短歌フォーラムin塩尻(学生の部)
第36回全国短歌フォーラムin塩尻(学生の部)入賞作品を発表します!!
- 最優秀賞【穂村 弘 選】
- 最優秀賞【小島 なお 選】
- 小学生優秀賞【穂村 弘 選】
- 小学生優秀賞【小島 なお 選】
- 中学生優秀賞【穂村 弘 選】
- 中学生優秀賞【小島 なお 選】
- 高校生優秀賞【穂村 弘 選】
- 高校生優秀賞【小島 なお 選】
- 小学生入選【穂村 弘 選】
- 小学生入選【小島 なお 選】
- 中学生入選【穂村 弘 選】
- 中学生入選【小島 なお 選】
- 高校生入選【穂村 弘 選】
- 高校生入選【小島 なお 選】
最優秀賞【穂村 弘 選】
- あげはちょうが休みにきたよおひるねのお兄ちゃんしずかにおきてしずかにおきて
新潟県 巻サミト教室 二年 田村 結
《選評》
「お兄ちゃん」にも「あげはちょう」を見てほしい。でも、驚かせたら逃げてしまう。だから、「しずかにおきて」欲しいのだろう。心のこもった繰り返しに胸を打たれる。 - あつい夏魚がいっぱいなにがいる?わたしは見たの小さなクラゲ
長野県 大町市立八坂小学校 四年 谷林 花梨
《選評》
「なにがいる?」と思って覗いたら「小さなクラゲ」がいたんですね。「わたしは見たの小さなクラゲ」と、秘密をそっと教えてくれるような口調が素晴らしい。 - 空っぽの教室に取り残されたラクガキ蝉の声が聞こえる
長野県 箕輪町立箕輪中学校 二年 戸田 琴望
《選評》
誰かの「ラクガキ」と「蝉の声」が「教室」の「空っぽ」感をいっそう増幅している。〈私〉が自分自身の心の中に「取り残され」ているような不思議な入れ子感覚が魅力的。 - こっそりとギアを一番軽くする君と並んで走る自転車
東京都 中央大学杉並高等学校 一年 林 真悠子
《選評》
いっしょに並んで走りたい気持ちがそうさせたのだろう。でも、たぶん「君」は気づいていない。「ギア」のチェンジにも、〈私〉の気持ちにも。その非対称性が瑞々しく切ない。 - たん生日母子手ちょうを見てみたよ9時16分にわたしは生まれた
岐阜県 郡上市立大和南小学校 三年 池田 くるみ
《選評》
15分でも、17分でもない。9時16分というなんでもない数字が、お母さんに、お父さんに特別な光をもたらしたのです。私という不可思議な存在のひとつの証明。 - みつばちが手持ちぶさたで種なしのスイカの受粉を空から見つめる
山口県 光市立光井小学校 六年 横道 玄
《選評》
人工交配で栽培される種なしスイカ。花粉を運ぶ役目を失ってしまったみつばち。なんとなく様子をのぞき見しているよう。農家の一場面がのどかに、あざやかに見えてきます。 - 授業中ペンを走らし見渡すととてもやさしく空が泣いていた
長野県 小川村立小川中学校 二年 古屋 陽向
《選評》
ノートに集中していて、ふいにめぐりの気配の変化を感じたのでしょう。顔をあげて窓の外を見ると、静かな、柔らかな雨が降っていた。自分の心と空の心とのやさしい交感。 - 蝉が鳴くふと声が止むかぜが吹くその一瞬に世界のうらがわ
愛知県 名古屋大学附属高等学校 一年 岩間 絢子
《選評》
蝉が鳴きやんだひとときの静寂に風が吹いた。そこからダイナミックにスリリングに世界が飛躍します。普段暮らしているのはおもてがわ。うらがわの未知へ誘われる。 - たん生日母子手ちょうを見てみたよ9時16分にわたしは生まれた
岐阜県 郡上市立大和南小学校 三年 池田 くるみ
《選評》
生まれた時のことが思い出せる人はいない。でも、「母子手ちょう」にはその時間まで書かれていた。自分の心に刻むような「9時16分にわたしは生まれた」がいい。 - イルカショー見上げるジャンプ水しぶきわたしもイルカになってぬれてる
青森県 三沢市立木崎野小学校 四年 冨永 一花
《選評》
「イルカ」の「水しぶき」を浴びたら、「わたしもイルカ」になってしまったのか。「イルカ」の仲間になった気持ちがきらきらと伝わってくる。 - 星の空キランと光って流れ星ロボット博士になれますように
長野県 塩尻市立塩尻西小学校 五年 小島 湊
《選評》
「流れ星」にお願いすると夢が叶うという。「ロボット博士になれますように」にびっくり。ロボットを作る博士だろうか。すごくかっこいい夢だ。 - たのしみはどようのあさにそとながめぱんをかたてになんかたのしい
長野県 塩尻市立塩尻西小学校 六年 本山 昊典
《選評》
「たのしみは」ではじまって「なんかたのしい」で終わるところが面白い。特別なことはしてないけど、ほんとにたのしいんだな、って感じがする。 - 友達と人生初のコースター得意か苦手かまだ分からない
長野県 塩尻市立桔梗小学校 六年 小林 茜
《選評》
「得意か苦手かまだ分からない」に納得。その通りだ。どんなことでも実際にやってみなければ分からない。「コースター」に乗る前のどきどきは、自分を知るどきどきでもある。 - あげはちょうが休みにきたよおひるねのお兄ちゃんしずかにおきてしずかにおきて
新潟県 巻サミト教室 二年 田村 結
《選評》
あげはちょうが驚いて逃げないように。でもお兄ちゃんにも見てほしい。両方の気持ちが同じくらいせめぎ合った結果「しずかにおきて」というおもしろい注文に。 - ひまわりがかれていくんだおれちゃったでも天ごくできっとまたさく
長野県 塩尻市立吉田小学校 三年 有賀 琉偉
《選評》
人が死ぬと天国に行くように、ひまわりも枯れると天国に行けるという。そう思えばしおれてゆく姿もさみしくありません。天国に咲くひまわりははっとするほど美しいはず。 - 黒板の白い文字見て一時限窓から見える広場は緑
新潟県 大潟村立大潟小学校 六年 進藤 りこ
《選評》
朝早くの授業。眠気の名残のなかで、ぼんやりとした視界にまぶしく映るチョークの白と広場の緑。正面の黒板から、窓の外を見下ろす目線の動きに学校の風景が浮かびます。 - 暑い日にねころぶ私はせん風機の風にのっかり夢へ飛びこむ
長野県 伊那市立東春近小学校 六年 小池 歩栞
《選評》
夏の暑さのなかで夢とうつつの狭間をうとうとしています。さまよう意識が、扇風機の風にのって夢のほうへひゅーんと涼しく運ばれてゆく。自在な夏の心と体。 - 真剣に目を閉じられずに映画を見目を閉じたらもう次の日だ
長野県 塩尻市立広丘小学校 六年 ガナワ マサミチ
《選評》
まばたきもできないほど真剣に映画を見て、どっと疲れたのでしょう。次に目を閉じたときには深く眠って翌朝になっていた。一回のまばたきで夜を飛び越えるような感覚。 - 初部活はじめましてのごあいさつマスクのガラで覚えた先輩
長野県 塩尻市立塩尻中学校 一年 宮下 友実
《選評》
新型コロナウイルスの影響下にある現在が、五七五七七の中に鋭く映し出されている。初対面の「先輩」の顔よりも「マスクのガラ」のほうが覚えやすいのだろう。 - 新品のシャツのボタンは固かった夏にはすんなりよゆうの朝
東京都 国士舘中学校 一年 金好 ななみ
《選評》
目には見えないはずの時間の経過が「ボタン」の手応えによって可視化されている。「ボタン」の歌であると同時に、学校生活に慣れてゆく自分の姿をも表しているようだ。 - 真夏の日長野の空で見た星はたおれるほどにちらばっている
東京都 江東区立深川第四中学校 二年 岩﨑 芽衣
《選評》
「たおれるほどにちらばっている」という表現がいい。漢字混じりの上句に対して、この部分は平仮名ばかりになっているところも星空の臨場感を強めている。 - シンとした帰りのバスの空気感あともうちょっとで終わってしまう
長野県 塩尻市立丘中学校 二年 手塚 こゆ希
《選評》
遠足か修学旅行の「バス」だろうか。「空気感」で楽しいことの終わりがわかってしまう。さみしいと云わなくてもさみしいことが伝わってくるところがいい。 - ああねむい羊が1匹脳内にもう書かないで黒板教師
長野県 安曇野市立堀金中学校 二年 高井 琉來
《選評》
「ねむい」を「羊」と結びつけた発想がユニーク。眠れない夜に「羊が一匹」、「羊が二匹」、「羊が三匹」と数えた「羊」が「一匹」だけ「脳内」に残っていたのだろう。 - 教室の中からながめるシジミチョウ窓を隔てた気温差七度
長野県 塩尻市立丘中学校 一年 柳澤 一葉
《選評》
ガラスの向こうは夏です。クーラーが効いて涼しい教室から暑さのなかをちろちろ飛ぶシジミチョウを眺めている。気温だけでない、気分や世界の隔たりも。 - 教室も外もろう下も先生も暑くなってく夏になってく
長野県 塩尻市立広陵中学校 一年 冨下 旺次郎
《選評》
夏はどこもかしこも夏になる。学校のどこにいても暑さから逃げられません。先生までも夏につられてどこか熱気に満ちている。「なってく」のリフレインに加速する季節。 - 雲の峰スーパー裏の舗道には喪服姿の老夫婦あり
埼玉県 浦和明の星女子中学校 二年 松本 葵
《選評》
入道雲のもくもくとした白。その下に立つ老夫婦のまとう沈黙の黒。湧き上がる季節の命と、終わりを迎えた人の命。ひっそりとした舗道の寂しくも魅力的な風景です。 - 成人になりたい気持ち飛んでった戻ってこない風船のよう
東京都 学習院女子中等科 三年 中村 優花
《選評》
成年が引き下げられ、二年早く大人になることに。先だと思うと早く大人になりたい。すぐだと思うとなりたくない。見えながら空へ消えてゆく風船は揺蕩う心理そのもの。 - スマホ取りシャッターを切るスピードで私の進路決まってください
長野県 塩尻市立丘中学校 三年 真島 菜々子
《選評》
カメラを起動しタップする。スマホなら数秒で、ぴたりとピントの合った写真を撮ることができるのに。自分の未来はどうしたって靄がかかって見えてこない。比喩が抜群。 - 蝉が鳴くふと声が止むかぜが吹くその一瞬に世界のうらがわ
愛知県 名古屋大学教育学部附属高等学校 一年 岩間 絢子
《選評》
何故「蝉」が鳴き止んだのか。「かぜ」が吹いたのか。「世界」は理由のわからない謎に満ちている。その秘密が垣間見られる。「一瞬」を「世界のうらがわ」と捉えた感覚が鋭い。 - 十七の春に抱えるはじめての花言葉にもないこの気持ち
静岡県 常葉大学附属橘高等学校 二年 金澤 史奈
《選評》
辞書にもない気持ち、とかならありそうな表現だけど、「花言葉にもない」気持ちとは斬新。純愛とも嫉妬とも異なる思いが自分の中に生まれたのだろう。 - 終わりなき雲のトンネルその中を小さな電車は進んでゆくよ
茨城県 つくば開成高等学校守谷学習センター 二年 塩見 真琴
《選評》
「終わりなき雲」と「小さな電車」という対比的な遠近感がいい。果てしない未来の時間に向かって進んでゆく〈私〉の姿とも重なってくるようだ。 - 青春はケガだってするはずなのに僕はいまだにゆりかごの中
長野県 東京都立大学塩尻高等学校 二年 坂口 煌矢
《選評》
「青春」を生きているのに無傷のまま。それは「僕」がまだ「ゆりかごの中」にいるから、というリアルな不安感。だが、その怖れもまた「青春」のものではないか。 - 夏の夜空を見上げて光る花盛り上がるほどなんか悲しい
長野県 下諏訪向陽高等学校 三年 小林 優花
《選評》
花火の歌だろう。その美しさによって人々が盛り上がるほどに「なんか悲しい」という、世界の中に見出された〈私〉一人の思いに惹かれる。 - 突然のバケツを返す夕立ちにヒント見つける私の未来
長野県 松商学園高等学校 二年 飯田 優空
《選評》
バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨。季節の一場面と自分の未来の一地点が突然ひらめいて繋がったのです。生きるヒントは思わぬところに転がっているのかも。 - 生命線かざす月夜の無人駅さよならもなく散りゆく紅葉
宮城県 仙台市立仙台高等学校 三年 菅本 勇馬
《選評》
てのひらを月の光に透かしてみる。誰もいない夜の駅に自分という人間のこれまでとこれからを思う。たくさんの季節や人と出合っては別れる豊かさを感じる秋です。 - 眼鏡かけ小豆を選(よ)ってるおばあちゃん雪晴れの日の春近き飛騨
岐阜県 岐阜県立斐太高等学校 三年 門前 凜音
《選評》
小さな眼鏡で小さな小豆を選り分けるおばあちゃん。背後には大きな冬の青空と大きな飛騨山脈がそびえています。おばあちゃんとその背景をゆったり包む春の予感。 - 微分積分微分積分君が見つめる式になりたいのにさ
埼玉県 星野高等学校 三年 秋池 花宥
《選評》
微分積分の問題に悩む君。それを眺める自分もまた君の思いに微分積分されてゆくようです。いっそ式になってしまいたいというちょっと過剰な願望と「のにさ」の味わいと。 - 泥ぬぐうスマホ片手にひとやすみレタス畑に南風吹く
長野県 長野県佐久平総合技術高等学校 三年 菊原 心粋
《選評》
農作業の休憩にスマホを見る。現実世界とネット世界のどちらにも楽しみがある。二つの世界を自然に自在に行き来しながら、実りのみずみずしい時間が流れています。 - とろとろのおんせんたまごしおつけてのざわなたべてどうそじんみる
長野県 塩尻市立洗馬小学校 一年 あらさき りんか - きょうりゅうがえいがかんでねおおあばれぽっぷこーんがとんでいったよ
長野県 塩尻市立広丘小学校 一年 よしだ りいさ - ミニトマトころころながれるたのしいなみんなだいすきながしそうめん
長野県 塩尻市立広丘小学校 一年 さねかた けいた - なつやすみつりにいったよたのしかったにじますつったにじますたべた
長野県 塩尻市立吉田小学校 一年 すがい まひろ - 計画表予定通りにできなくてヤバイをこえてうごけなくなる
長野県 塩尻市立洗馬小学校 四年 小川 紗英 - 海の水日を反しゃしてまぶしいな遠くに見えるちいさな船
長野県 塩尻市立桔梗小学校 四年 濱田 岳 - 夏休み学校来たら大きいねひさしぶりだねウーパールーパー
長野県 塩尻市立桔梗小学校 四年 永原 優真 - 今回の調理方法「ゆでる」だよほうれん草やじゃがいもゆでた
長野県 塩尻市立広丘小学校 五年 竹下 祐士郎 - 皮をむくひたすら皮をむいていくトウモロコシの黄色がくるまで
長野県 塩尻市立吉田小学校 五年 中村 宇志 - 教室の窓から入る夏の風ページがめくれ千年が過ぎる
青森県 三沢市立木崎野小学校 六年 種市 美優 - 夏休みラジオ体そうたのしいなラジオこわれてけいたい電話
長野県 塩尻市立広丘小学校 二年 杉本 みなみ - ちかくのね公園行って見つけたようまれかわったまっかなおちば
長野県 塩尻市立吉田小学校 三年 せら わかな - 真っ白なびんせんがわりに入道雲「元気でいるよ」じいじに届け
新潟県 糸魚川市立糸魚川小学校 三年 松木 仁志 - 星の空キランと光って流れ星ロボット博士になれますように
長野県 塩尻市立塩尻西小学校 五年 小島 湊 - 夏休み髪切りに行ってバリカンがミーンミンミンここも夏だな
長野県 塩尻市立塩尻西小学校 五年 野寺 瑛太 - この風はどこからきたのおしえてよきいても空はなにもいわない
長野県 塩尻市立桔梗小学校 五年 宮澤 友彩 - ジェットコースター友だちといっしょに空を切る鳥になったり滝になったり
青森県 六戸町立六戸小学校 六年 吉田 優奈 - 教室の窓から入る夏の風ページがめくれ千年が過ぎる
青森県 三沢市立木崎野小学校 六年 種市 美優 - 新潟で海をバックイルカショー三年ぶりに同じ写真を
長野県 塩尻市立吉田小学校 六年 鈴木 千華 - 夏休みじいちゃん家へ行きそこで見た季節外れの炬燵抜け出せない
東京都 にしみたか学園三鷹市立井口小学校 六年 清水 紗良 - 何回も見てみぬふりをしたせいだベランダの角にミイラヒマワリ
愛知県 愛知教育大学附属岡崎中学校 二年 飯見 奈々 - テスト後の教室そうじで気がついた消しカスシャーシン戦いのあと
長野県 長野市立東部中学校 二年 池田 篤弘 - 昼と夜互いの色にそまる潮かおりとともに光る灯台
愛知県 豊橋市立吉田方中学校 二年 田中 歩実 - 放課後に並んで歩む影法師絶えず聞こえる君の哄笑
長野県 塩尻市立塩尻西部中学校 二年 須郷 沙弥 - 「久しぶり」呼びかけてきたいとこの声大人びていてちょっときんちょう
長野県 塩尻市立塩尻西部中学校 二年 島﨑 慧 - 暑さひく夜の散歩で月うかぶ母と私でかげを楽しむ
長野県 東御市立東部中学校 二年 馬場 明葵恵 - 日曜日本屋へ車で一時間買いたい本は一巻抜けてる
鹿児島県 中種子町立中種子中学校 二年 長田 智大 - 「おいでやす」初めてきいた挨拶に慣れない私は会釈するだけ
長野県 飯田市立飯田東中学校 三年 岡田 紗季 - 海のあお青空のあお夏のあおチビになってくあおいクレヨン
東京都 学習院女子中等科 三年 佐野 帆南 - 昇降口馴染みの傘が見つからずただ立ちつくす夏の夕立
長野県 塩尻市立丘中学校 三年 飯塚 仁美 - 新品のシャツのボタンは固かった夏にはすんなりよゆうの朝
東京都 国士舘中学校 一年 金好 ななみ - 「また来るね」満足そうな妹の瞳に見えた小さな蛍
静岡県 静岡市立由比中学校 二年 佐鯉 凛果 - 祖父九十うなぎ特上たいらげて空襲の夜の劫火を語る
神奈川県 慶應義塾普通部 二年 小池 弘一 - 横見れば大抵そこにきみがいる磁力よもっと強まってくれ
岐阜県 岐阜聖徳学園大学附属中学校 二年 寺島 大貴 - 大空はとぎれることを知らなくて青いからだで世界をつなぐ
山梨県 駿台甲府中学校 二年 小澤 美緒 - 扇風機否定するよう首を振り我の気持ちが機械に分かるか
愛知県 豊橋市立吉田方中学校 二年 山本 遥斗 - 金閣の頂上にいる鳳凰よ一目見るなりみんなは虜
高知県 土佐市立戸波中学校 二年 西村 玲海 - 秋の夜リンリンとなくあの声は夜空に送る生きてるサイン
長野県 箕輪町立箕輪中学校 二年 星野 奈緒美 - 八月の烏も唸る木も唸るマラソンのよう夏の日常
長野県 塩尻市立広陵中学校 二年 岡澤 英汰 - 水の音しずかにおちるポトポトとかさは一本私は一人
長野県 安曇野市立堀金中学校 二年 田中 菜々咲 - 冬来ると毎日のように鍋パーティー鱈はあるかと鍋つつく夜
長野県 長野県小諸高等学校 一年 山崎 美羽 - ひと夏を遊んでくれた宇宙人押入れに住む宇宙人になる
長野県 松商学園高等学校 二年 竹村 愛依 - 取り逃がし蝉を追いゆくこどもたち捕まえれるのに私なら
石川県 金沢大学附属高等学校 二年 川原 由梨奈 - 不気味だぜあじさいの葉からギョロギョロとあの目は誰のものだろう
長野県 長野県白馬高等学校 三年 髙橋 莉織 - スイカ割りぐるぐるバットでさあどこだ地面たたいてビリビリビリに
長野県 下諏訪向陽高等学校 三年 藤森 太郎 - 少しだけ可愛くなってきてるんです乳首も泡でパックしてるし
宮城県 気仙沼高等学校 三年 畠山 来夢 - 教室に背を向けひとり窓の外眺める鉄筋雨に浮く錆
群馬県 群馬県立前橋女子高等学校 三年 久保 葵花 - 街灯の下であなたを待つ影が一人の方が楽でしょと言う
埼玉県 星野高等学校 三年 渡部 美咲 - 「おじいちゃん、おばあちゃんには会えたかな?」初めて並ぶふたつの写真
埼玉県 星野高等学校 三年 小島 穂乃花 - 蹴飛ばした小石が沈む側溝の澱に浮かぶ枯れた花びら
長野県 松商学園高等学校 二年 林 優大 - 終わりなき雲のトンネルその中を小さな電車は進んでゆくよ
茨城県 つくば開成高等学校守谷学習センター 二年 塩見 真琴 - 不気味だぜあじさいの葉からギョロギョロとあの目は誰のものだろう
長野県 長野県白馬高等学校 三年 髙橋 莉織 - 文化祭三時間待ち誰もこず一人たそがれ美術室なり
長野県 長野県白馬高等学校 三年 北村 海翔 - カピバラのライブカメラをながめててムダにすぎてく三年の夏
長野県 長野県白馬高等学校 三年 石崎 椋太 - 引退し見上げた空に雲一つ五月の空は皆を見ていた
長野県 長野県下諏訪向陽高等学校 三年 小林 聖 - 夏の夜空を見上げて光る花盛り上がるほどなんか悲しい
長野県 長野県下諏訪向陽高等学校 三年 小林 優花 - しりとりの終わり近付く別れ道「る」攻めできみの本丸落とす
愛知県 愛知県立旭丘高等学校 三年 渡邉 美愛 - 街灯の下であなたを待つ影が一人の方が楽でしょと言う
埼玉県 星野高等学校 三年 渡部 美咲 - 東京のスクランブルに紛れても紛うことなき私は私
茨城県 茨城県立結城第二高等学校 四年 北島 夏子
最優秀賞【小島 なお 選】
小学生優秀賞【穂村 弘 選】
小学生優秀賞【小島 なお 選】
中学生優秀賞【穂村 弘 選】
中学生優秀賞【小島 なお 選】
高校生優秀賞【穂村 弘 選】
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小学生入選【穂村 弘 選】
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高校生入選【穂村 弘 選】
高校生入選【小島 なお 選】
※短歌に関しましては、原稿を忠実に掲載することを基本といたしました。
ただし、ホームページ上で表示できない文字(旧字体など)につきましては、表記を変更しております。ご了承ください。